環境が人をつくる

私のこと

職場での話です。
私は、料亭で仲居をしていて、仕事柄、気配りや勘働きがとても必要です。
お客様の様子をみて、一歩先の行動をしなければなりません。
また、同僚とも阿吽の呼吸で仕事を回していきますので、常に気を張っています。

私はね、同僚や女将さんに、よく気がつくと言われます。

昨日のことです。
賄いでカレーライスだったんですけど、ルーが少し残ったんですね。
そこで私が「せっかくだから、誰かもう少し食べない?」と皆に尋ねると、Cさんが「じゃあ、後で欲しい」と言ったので、取り敢えず私は自分の横に鍋を置きました。
しばらくして、Cさんがふっと顔を上げたのです。
咄嗟に私は、「おかわり?」と反応しました。
するとね、Cさんは「栞さん、よく分かったね」と言ってくれました。
そして、新しく入ったSさんに「まるで夫婦みたいでしょ」と言うのです。
また、「栞さんって、いつもよく気がつくんだよね~」とも。

Cさんは、よくそんな風に褒めてくれます。
照れ屋の私は、恥ずかしくって「子供の頃にね、家で鍛えられたんですよ~」と、子供の頃の話をちょっぴりしてしまいました。

私の両親は、私が9歳の時に離婚し、弟と私は母と一緒に暮らすことになりました。
半年後、新しい父親と一緒に暮らすようになり、連れ子である私は、顔色を窺って生活するようになったのです。
新しい父親は、口うるさくて細かい人でね、気が利かないだのなんだのと言われっぱなしだったんです。
だから、気を回さなきゃと思って、神経を張り詰めていました。
食事の時は、ご飯のおかわりやお茶を出すタイミングなど、様子を見てすっと出すようにしていましたし・・・。

それから、学校から帰ってからの話もしました。
学校が終わって帰宅すると、まず洗濯物を仕舞って、そして台所で炊飯器に残ったご飯をうつわに移して、お釜はお湯につけます。
その後、お風呂のお湯を抜いて、お湯が抜けるまでの間に洗濯物を畳んで、お湯が抜ける頃に一旦中座して浴槽を洗っていました。
そして、その頃にはお釜が洗える状態になるので、洗って、今度はお米を研ぎ・・・。
そんな感じで家の手伝いをやっていたのです。

宿題はしなきゃいけないし、テレビは観たいし、遊びたいしで、なんとか工夫して少しでも早く自分の時間を作るのに必死でした。
そんな家庭環境で育ったので、私は、会社に勤めるようになった時には、よく褒められました。

ぎゅっと凝縮してこんな生い立ちを話していたら、女将さんが「やっぱり家庭環境だよね」と仰って、ご自分も両親が離婚して、連れ子で、しかも商売をやっていてという話をしてくれました。

気配り、勘働きは、一朝一夕で身につくものではありません。
だからと言って、口うるさく育てばいいのかっていうと、それはそれで問題があるのですけどね~。
ただ、子供の頃に多少苦労した私は、今役立っているので、子供のうちにある程度はもまれて生活したほうが、よいのかなぁ~とも思います。

じゃぁ、子供の頃に気配りや勘働きを身につけなかった人はどうすればいいの?って話になりそうですよね。
それは、もう、大人になって必要に迫られてから身に付ければいいんじゃないのかしら。
だって、人間って、必要に迫られてはじめて考えるし、行動するじゃないですか。
今必要となった時に、必死で周りを観察して行動をとっていけば、自然と身についていくものだと思います。
「環境が人をつくる」って言いますしね。
直面した時が学びの時ですよ、きっと・・・。

 

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こんにちは。このブログを書いている、栞です。 愛知県の西三河地方で、ひっそりと暮らしています。 紆余曲折の人生を経て、こんな私でも何かできないかな?と思い、...

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